分析データを活かした採用基準の見直しと効果

分析データを活かした採用基準の見直しと効果

株式会社八州

 経営管理部 課長補佐 入来院光宏 様
       係長   三木遥香 様

 
調査、測量、設計、都市整備、地理空間情報の業務をはじめとする建設コンサルタント業 
1947年設立
従業員数 242名(2024年10月現在)
 

Talent Analyticsの導入と「リ」活用の背景

(入来院様)適性検査の導入は前任の時代にさかのぼります。当時、現場では採用の応募者にとって受検する負担の少ない適性検査を探しており、他社のテストをいくつか試した結果、Talent Analyticsを導入することになったと聞いています。初期の頃は、使い方がネガティブチェックのみだったのですが、二年前からデータ分析を本格的に開始し、社員の退職理由や傾向の把握、採用基準の策定へと活用の幅を拡げています。

(三木様)なぜ改めてTalent Analyticsの活用に踏み出したかというと、当時は部署ごとの雰囲気や採用基準にばらつきがあり、会社全体に統一感がないと感じていたからです。例えば新卒採用でも、「コンサルタント職コース」や「空間情報技術職コース」「営業コース」と分かれてはいるのですが、根底となる人物像は会社全体で統一したほうがよいのではないかと思い、この会社を支える人材はどういう人物像かという観点から分析を始めました。

(入来院様)私たちの業界では、一人前になるまで10年かかると言われており、人材を大切にしたいという思いもありました。なんとなく「面白そう」では続かない業界です。
忍耐強く、一つのことを突き詰められる人ではないと活躍できないと感じていたので、そういう方に入社していただき長く続けていただきたいという想いもありました。

退職傾向の分析と採用基準への活かし方

(三木様)それまでの受検データを元に、いくつかの角度から分析をしたところ、最も顕著だったのが「3年未満で退職してしまった方」と「3年以上定着している方」の比較でした。例えば、「発想性」と「論理性」という項目において、退職された方は「発想性」の偏差値が高く、そうでない方は「論理性」の偏差値が高く出る傾向がわかりました。このように、項目の差異をみながら、採用基準を決めていきました。

(入来院様)その他も「野心性」や「競争性」などを採用基準に組み込みつつ、Talent Analyticsの項目で採用基準を策定していきました。とはいえ私たちは「定量・定性評価のバランス」が大事だと思っています。

そのため、定量情報であるTalent Analyticsの項目と、定性情報である応募者の志望動機・向上心・素質等、それぞれに配点を定め、その合計得点で合否を出すことにしています。定量的な結果が基準に達していない場合でも、面接を通じて得られる定性情報から適性が確認されれば、最終的に合格となるケースもあります。このように、Talent Analyticsの結果を単なる足切りの材料としてではなく、採用の判断材料の一部として活用し、柔軟に運用しています。

Talent Analyticsを使った効果や成果

(三木様)面接がしやすくなったと感じています。仮にTalent Analyticsで求める基準に達していない場合でも、面接で一歩突っ込んで確認する点が明確になりました。たとえば、「野心性」や「競争性」が低い場合、学生生活で競い合いながら成長した経験があるかを確認するなど、具体的な対策が取りやすいです。

(入来院様)分析結果については、経営層や部門長にもフィードバックし、採用基準を決める意思決定の場には私たちも同席をしています。データを元に人事側から採用基準を提示し、意思決定の支援につなげることができたことも非常に大きな成果だと思っています。経営層、部門長と認識をすり合わせた採用基準での運用を進めることで、今後、株式会社八州としての統一感がでるのではないかと期待しています。