フィット率・定着率ともに向上! Talent Analyticsが示した新たな採用基準とは?

株式会社ウィンキューブホールディングス

HR事業部 部長 朝松和義様


WEBマーケティング事業
2010年設立
従業員数105名
 

Talent Analytics 導入前の課題

新卒採用を始めて数年経つまで、当社は採用において適性検査を利用していませんでした。

新卒採用を始めた当初、感覚的に想定していた学生ペルソナは、ベンチャーマインドが高く、将来的に起業を志す学生、つまり自分の目標に向かって主体的に動く学生でした。彼らは当時の新卒市場で非常に人気の層であり、きっと地頭も優れているだろう、人気なら採用できれば自社でも活躍するだろう、と想定していたからです。しかし、実際にはこのタイプの人材が必ずしも自社で活躍したり長期間働き続けてくれるわけではありませんでした。

選考中は好感触でも、入社してみると「なんとなく組織にフィットしていないな」と感じることもあり、これらの要因を分析するために、適性検査を導入することに決めました。

導入の決め手と意外な結果

元々タイプマッチを重視していたので、どんなタイプなのか読み解きやすい、というのが一番の決め手です。ちなみに当社では、Talent Analyticsの結果を5つのタイプに分類していて、大まかにキャラクターを設定しています。また、誰でも知っているアニメのキャラクターで呼び分けて、共通言語化をしてみました。

導入後の分析でわかったのですが、当社で活躍し・長く定着して働く社員(WEBマーケター)の共通点としては実のところ、ただ自分の目標に向かって主体的に動くタイプの人材ではなく、相手の話に耳を傾け、意図や感情を理解し、感じのよさを意識しながらコミュニケーションがとれる人材でした。また、持続力に優れていて、地頭の中でも特に「言語力」に優れていることがパフォーマンスにつながっていることも判明しています。

なんと、当初想定していた学生像とは真逆に近いタイプだったわけですが、こういう話もエビデンスがなければ単なる仮説で終わってしまいます。導入にあたり、経営陣も交えながら、採用ターゲットについて建設的な議論ができるのではないかと期待していた通り、タイプ分類という新たな枠組みも上手く作用し、経営陣も納得の軌道修正ができました。 

Talent Analyticsを使った効果や成果

やはりTalent Analyticsの結果という数字分析をベースに、自社にあったペルソナや選考基準をつくることができたのは大きかったですね。

新卒採用を始めた当初の採用ペルソナとしていた人材も活躍していたかもしれませんが、主体性が強いがゆえに社内やクライアントとの折衝で軋轢を生むこともありました。Talent Analyticsを導入してからはその点もチェックできるようになったため、人間関係を理由とした離職はほぼなくなりました。

また最近の候補者は面接対策を十分にされていることが多いため、本音が見えにくくなっています。そのため取り繕うことのできないTalent Analyticsを実施してから面接し、気になる点を深掘りしています。ここでも自社で設定したペルソナや選考基準に沿う人材か事実ベースで確認するのに役立っています。

更には、我々が再設定したペルソナは今まで以上に具体的になり、他社と差別化もできたと思っています。学生に対しても説得力をもってペルソナを説明しやすくなり、結果入社率も高めることができました。

表現としてはダイヤの原石のような人材探しといいますか。まだ目立たず少し控えめに見えても信念や野心を持っているな、とか。ただ従順なだけにみえるけどその場の空気をつかんで柔軟に提案する能力も持ち合わせているな、とか。こういう、面接だけでは見えてこない秘めた能力をもつ人材に出会えて、入社後に覚醒させて活躍してくれる仲間が増えてくれていることがうれしいです。

ただ、今の基準が完ぺきだとは決して思っていません。ここから会社のフェーズや外部環境が変われば、経営層や現場からの採用オーダーが変わることも当然あってしかるべきだと思っています。その際にも、感覚ではなくTalent Analyticsを中心としたエビデンスを元に仮説検証を繰り返していきながら、採用戦略を立てていければと思っています。