現場の要望をデータで解明!“地頭の良さ”の正体とは?

株式会社サイバー・バズ

 人事推進本部 酒匂 明彦

 
ソーシャルメディアマーケティング事業
2006年設立
従業員数 205名(2024年9月現在)
 

Talent Analyticsを導入する前の課題 

従業員数が200名を越え、採用や人材育成において活躍人材のイメージは共通認識が取れ始めていました。しかし一方で、評価者や上司によって感覚の違いもあり『言語化できない何か』を明確にしたいという想いが常にありました。

人材をデータで管理しそれを鵜呑みにするのは一定のリスクがあるというのは理解しつつ、その先にある共通項を見つけていきたい―。これから組織が拡大していくにあたって早い段階から「活躍人材の言語化」は将来的な会社の財産になると思っていました。 

Talent Analyticsを選んだ理由 

当初最も重要視していたのは「知的能力」の項目です。学力を測るテストは多くありますが、確率の計算や英単語の並び替えなどは、社会人が実務で必要なものなのか否か、これまでの人事キャリアを通して常に疑問を持ってきました。

そのようなテストを否定するわけではないのですが、「高校時代や大学初期に受けると一番点数が高く出る」というような学力テストもあり、我々が求めている「ビジネスパーソンとしての地頭力」には該当しないと感じていました。

人事担当者であれば、現場から「地頭が良い人が欲しい」というオーダーが来ることも受ける機会も多いと思います。評価項目にされがちですが、かなり抽象的な表現である『地頭』というものが測れるのは何か。という基準でTalent Analyticsが最適であると感じて導入を決めました。 

Talent Analyticsの使い方 

現在は最終選考の前に合否判断に使用しない形で結果を取得しています。

これは選考時に持っているポテンシャルを確認するためです。入社してからであれば会社にアジャストしていくことができますが、入社時どのような特性を持っていたのか、その人がどのように変わり活躍人材へとなりうるのか―。もしくは数年後も特に変わっていないのかも含め、入社数年後にも再度受検することで見えてくるものがあるのではと思っています。 

Talent Analyticsを使ってみた所感 

各項目で、環境によって『変わりやすいもの』『変わりづらいもの』が明確になっていることが利用者としては非常に分かりやすいと感じています。また「地頭」の判断については成果評価との相関性をもとに分析を進めていきたいポイントです。 

利用する中で新たに芽生えたやりたいこととしては、入社前後で変わった(成長した)項目に着目することです。社員が「研修内容や組織のカルチャー」によってどれくらい影響を受けたのかという観点で分析することで、全社員に共通して伸びている項目を見ていく。そこが言語化できていなかった『育成やカルチャーにおけるサイバー・バズらしさ』でもあるとも思いますし、選考の際もこのポイントは少し目をつぶってもカルチャーで伸ばしていけるよね。などの基準にもなっていくと感じています。 

導入後に期待することや取り組みたいこと・あらわれた効果や成果 

言わずもがな、新たな採用ニーズが発生した際には現場と求める人物像のすり合わせが必要となります。現場から「地頭が良い人が欲しい」という話が上がり、同時に「社員の中だと誰がイメージに近いか」という両軸での議論になった際、活躍人材の定義決めでもTalent Analyticsを活用しました。事前に「地頭とは学校の勉強ではなくて、Talent Analyticsの項目でもある知能レベル的なことですよね」と現場とすり合わせて臨んだのですが、現場が「こんな人物が欲しい!」と言っていた人物が必ずしも「知的能力」の点数だけが高かったわけではなかったのです。 

他の項目を見てみると「論理性・論理的表現力」などの項目で相関性が出てきました。要は現場が「地頭が良い」と表現していた人材は、「学力や知能レベルだけではなく、論理的思考力が高く、意思伝達力が優れていて、合理的に物事を進めることができる人」。だという結論に至りました。現場との共通認識を取っていくためにも非常に役立ってもらえたなと担当として感じています。 

今後少子高齢化と共に、1人を採用することがどんどん難しくなる時代になることは明白です。比例して、人材紹介サービスは加熱していくと思いますし、自社の集客力を高めていけない企業では、紹介料等のコストの増加に抗えなくなる可能性があります。

そのような市場の中では、数だけに囚われるのではなく、限られたπの中で、どれだけ自社に合った1人を採用できるのかというテーマにも向き合っていくことが重要です。昨今、アメリカ企業では多様性を前面に打ち出した方針から、同質性に注目し始めたとの話を聞きました。多くの人材を活躍させられる企業であり続けるという社会の公器としての役割や人事としてのミッションを叶えていくのと同時に、活躍者の共通点を明確にすることによる、質の高い採用活動の実施に向けて、「Talent Analytics」がその一助になってくれることを期待しています。